頼島産婦人科病院。広島県広島市安佐南区の産婦人科病院(産科・婦人科・小児科・婦人内科)

妊娠悪阻

一般的な産科疾患について

妊娠悪阻

つわりは病気ではありませんが、重症化すると悪阻という病気になり母児ともに悪い影響が出ます。体重が3kg以上減少する、まったく食事を摂取出来ない状態がある方は治療が必要ですので申し出て下さい。

治療と管理

  • 本症と診断されたものは、エネルギーの消耗を避けるために原則入院安静とする。
  • 家庭内の問題など心理的ストレスが原因と考えられる場合には、入院により周囲と隔離指診針の安静を保つだけで症状が軽快することがある。
治療法 内容 備考 悪阻の程度
食事療法 好きなものを少量かつ頻回分けて摂取する 悪心・嘔吐が強く、食事療法ができない場合は、絶食にして輸液療法に切り換える 軽傷

重症
輸液療法 5~10%のブドウ糖輸液を1日1,000~3,000mL行う ・ケトーシスが改善するまで行う
Wernicke脳症の発生予防のために、ビタミンB1の補充は必須
・絶食の場合は高カロリー輸液を行うことがある
薬剤療法 制吐薬
(メトクロプラミド)
明らかな有害事象は報告されていないが薬剤の使用は必要最小限とする
ビタミンB6
(ピリドキシン)
欧米では経験的に妊娠悪阻に対する有効性が知られている
人工
妊娠中絶
妊娠の中絶 種々の治療によっても、治療効果がなく、発熱、黄疸、意識障害など全身状態が著しく悪化した場合に考慮される
  • ブドウ糖の代謝経路において、ビタミンB1は補酵素として消費される。そのため、ビタミンB1の補充が十分でない場合、ビタミンB1が欠乏することによってWernicke脳症をきたすことがある。

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