頼島産婦人科病院。広島県広島市安佐南区の産婦人科病院(産科・婦人科・小児科・婦人内科)

妊娠高血圧症候群(HDP)

一般的な産科疾患について

妊娠高血圧症候群(HDP)

  • HDPは何らかの原因によって引き起こされます。妊娠に対する母体の適応不全であり、正常では血圧は非妊娠時に比べ系度低下するのに対し、HDPでは血圧が上昇します。
  • HDPは単一の疾患と誤解されることが多ですが、実際はその名のとおり“症候群”であり、後述する妊娠高血圧(GH)や妊娠高血圧腎症(PE)など異なった病態を包括する疾患概念です。
  • 最も代表的・典型的な病型であるPEでは次のような合併症をきたしやすく、特に注意が必要です。

※浮腫は症候として本症に伴って出現することが多く、かつては診断基準にも含まれていましたが、浮腫の有無そのものはHDP妊婦における母児の予後に関わらないため、本症の診断基準から外されました。

治療法

 治療の基本は妊娠終結です。しかし、児が未熟な場合は可能な限り妊娠を継続し、適切な分娩時期を判断します。
 1.安静
 2.食事療法
 3.薬物療法
  1)降圧薬:メチルドパ、αβ遮断薬(ラベタロール)、Ca拮抗薬(ニフェジピン、ニカルジピン[注射のみ])、ヒドララジンなど
  2)硫酸マグネシウム(MgSO4):子癇の治療、発症・再発の予防
 4.妊娠終結:①重症HDPで、児がほぼ成熟している場合
          ②母体の状態悪化や合併症、胎児機能不全がある場合

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